園善博の頭が良くなる魔法の速習法

第1回: 「速く読めて、しかも忘れてた」本の読み方

みなさんは、月にどれくらい本を読んでいますか?

日本人の読書量は「月平均1冊」。「活字離れが進んでいる」と言われていますが、確かに「月1冊」は、少ない気がしますね。

では、私は月に何冊、本を読んでいると思いますか?

10冊? 20冊?

いいえ。私は「月に約50冊」「1年に約600冊」の本を読んでいます。ちなみに、「6時間で20冊」を読破したこともあります。「月に50冊読める」からといって、私に特殊な能力があるわけではありません。目を速く動かせるわけでもありません。

私が本を速く読めるのは、「知識を記憶に定着させる読書法」=「速習法」を知っているからです。本は、読み方を工夫するだけで、誰でも、どんどん速く読めるようになります。しかも、読んだ本の内容をいつまでも覚えておくことができるのです。

申し遅れました。園 善博(その よしひろ)と申します。

私は、2002年から米国生まれの速読法の指導を始め、現在は、既存の速読法に脳科学・心理学の知識をプラスオンした「速習セミナー」を主催しています。

この連載(全5回)では、拙著『頭がよくなる魔法の速習法』(中経出版)でご紹介させていただいた「速習法」のメソッドを中心に、「速く読めて、しかも忘れない勉強法」についてお話します。

「速習法」を身に付ければ、多くの方が、

「本を読むのが遅い」
「本の内容が頭に残らない」
「カンタンな本は読めるけど、難しい本はページが進まない」

といった読書の悩みを解消できると思います。

幼いころから「ディスレクシア(読字障害)」に苦しみ、30歳を過ぎるまで「本が読めなかった」私自身が、今では「月に50冊」読めるようになり、「本の読み方」を教える講師にまでなれたのですから、みなさんも必ず読書が好きになるはずです。

速度より、知識の定着を重視する

速習法は、いわゆる「速読」とは少し違います。

どんなに速く読めても、内容を理解していなければ、「ただ文字を追っただけ」。一時的に覚えることはできても、きっとすぐに忘れてしまうでしょう。せっかく本を読むのですから、知り得た知識を仕事や試験に役立てたいですよね? もちろん、速習法を実践すれば、本を読むスピードはぐっと上がります。

本を読む「速度」よりも、「本の内容をしっかり覚えること」に重点を置いているのが速習法の特徴です。ですから、目を速く動かしたり、文章を画のように焼きつけたりする能力は必要ありません。

速習法は、

「たくさん読むから、速く読める」
「たくさん読むから、知識が増える」

という、理にかなった勉強法です。

大人の私たちが、小学生の教科書をスラスラ読めるのは、読めない漢字も、知らない語彙もないからです。授業に関する知識もすでに持っている。だから、カンタンに思える。しかし、「量子論」について書かれた本をスラスラ読める人は、それほど多くないと思います。なぜなら、量子論に関する基礎知識を持っていないからです。

つまり……、

「持っている知識が多ければ速く読めるし、持っていなければ速く読めない」ということです。同じ本を「2度」読もうとすると、2度目は速く読めます。

では、なぜ速く読めるのか?

それは「内容を知っているから」です。講師にまでなれたのですから、みなさんも必ず読書が好きになるはずです。

目的に応じて「3つの読書法」を組み合わせる

私は神社仏閣に興味があり、さまざまな文献に目を通しています。でも、勉強を始めた当初は知識がありませんから、当然、速く読むことができませんでした。

そこでどうしたか?

1冊目はカンタンな表現で書かれた入門書を読んで「神社仏閣って何だろう?」「この言葉の意味は何だろう」と概要を把握しました。

2冊目を読むときは、1冊目で学んだ基礎知識があったので、1冊目よりも速く読めるようになり、3冊目を読むときは、知識がさらに増えたので、もっと速く読めるようになりました。

本をたくさん読み進めるうちに、「知らないところや、知りたいところだけを時間をかけて読めばいい」ようになって、その結果として「1冊を読み終えるスピード」が速くなりました。新しい知識を覚える必要がなくなるから、速く読めるようになるのです。

勉強したいジャンルの知識を持っていない場合は、初めにその分野の概要を把握する必要があります。そして、概要を把握したら、今度は詳細に知識を学んでいく。私たちは、「概要の把握」と「詳細の把握」によって物事を理解しています。

したがって「速習法」では、

◎概要を把握する読み方=スキミング・リーディング(第3回目で紹介)
◎詳細を把握する読み方=ターゲット・リーディング(第4回目で紹介)
そして、
◎全体を通読する読み方=トレーシング・リーディング(第5回目で紹介)
の「3つの読書法」を組み合わせていきます。

具体的な読み方については、次回以降で詳しくご紹介しますので、楽しみにしていてください。

「知識が増えれば、本を読むスピードは速くなる」と聞くと、当り前すぎて拍子抜けする方がいらっしゃるかもしれませんが、このことを「意識しているか」「していないか」によって、勉強の成果に大きな差が出ます。

「速習セミナー」の受講生の多くが、「前に読んだ本に、同じようなことが書かれてあった」と気付けるようになったのは、知識がしっかりと積み上げられているからです。

繰り返しますが、読書の目的は、「速く読み終えることではない」ということを覚えておいてほしいと思います。

では次回から、速習法を実践していきましょう。

(写真撮影:加藤康)

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