園善博の頭が良くなる魔法の速習法

第2回: 本を読みはじめる前に「読者の準備」をする

前回は、「速習法」と、一般的な「速読」の違いについてお話しました。
覚えていますか?

速習法は、「本の内容をしっかり覚えること」に重点を置いています。

同じテーマについて書かれている本を、1冊、2冊、3冊……と読み進めていくと、「知らないこと」が少なくなってきますよね。知らないことが少なければ少ないほど、つまり“本の内容を覚えていればいるほど”速く読めるようになる仕組みです。

情報を受け入れる「器」をつくる

では、どのようにすれば、効率よく知識を積み上げていけるのでしょうか?
さっそく、速習法を実践していきましょう。

速習法では、本を読みはじめる前に、「2つの準備」をしていただきます。頭のなかに、知識や情報を受け入れる準備をしておくだけで、本の内容を理解しやすくなるのです。

【情報の理解力を高める2つの準備】

1 本を読む(勉強をする)目的を決める「プリペアードマインド」
2 これから読む本の下見をする「プライミング」

「プリペアードマインド」をセットする

本を読む前に「プリペアードマインド(準備された心)」の4項目を書き出してみましょう。

目的、条件、欲求、イメージ――この4項目を設定して、頭のなかに、知識や情報を受け入れる「器」をつくります。

1 目的

脳の構造から考えても、「なんとなく勉強する」のと「目的を持って勉強する」のでは、明らかに「目的を持って勉強する」ほうが学習スピードが上がります。

「なんのために勉強をするのか(本を読むのか)」
「達成したい夢はなにか」
「目的がかなったときに、どのようなごほうびが得られるのか」

を考えてみましょう。

2 条件

条件というのは、「勉強しやすい環境が整っているか」「応援してくれる人がいるか」ということです。

速習セミナー受講生のYさんは、「3カ月でTOEICの点数を150点アップ」させましたが、彼には「バイリンガルの友人」がいた。だから「英文解釈のコツを教わることができた」といいます。

3 欲求

勉強を「しなければいけないもの」と考えるより、「したいもの」と考えたほうが、学習意欲が高まります。そこで「目的」を設定したら、その目的に「○○○○するために」という欲求をプラスします。

このとき、人間の根源的・本能的な欲求(生理的欲求や安全の欲求といわれています)と結びつけると、意欲が続きやすい。

I さんは、「英語を勉強して海外でボランティアをしたい」という目的を持っていましたが、「英語を勉強して、外国人を口説きたい」と考えたほうが(笑)、やる気が出たといいます。

4 イメージ

「この本から何を学ぶことができるか」を推論したり、「目的を達成したときの自分の姿」を思い描いてみましょう。

「この本には、認知心理学の見地から、効率的な記憶の方法が書かれてあるだろう」
「試験に合格したら、友人や家族に祝ってもらえるだろう」

など、できるかぎり具体的にイメージしてみてください。

プライミングをかける

プライミングとは、分かりやすくいうと「一度見たものは、二度目は見やすくなる」という効果のことです。

旅行をしたときに、往路よりも復路のほうが短く感じたことはありませんか? 帰りのほうが短く感じるのは、「一度体験しているから」です。

私たちの脳は、一瞬でも見聞きした情報を「プライミング記憶」として記録しています。そこで、速習法では、本を読むはじめる前に「パラパラ読み」を勧めています。

難しい用語があっても気にしない。手を休めずにパラパラとページをめくるだけ。たったそれだけでも「なんとなく分かった」ような状態になれます。

プラミングをかけるときは、「キーワード」を決め、そのキーワードを探すようにすると、効果が高まります。

例えば「記憶のメカニズム」に関する本を読むのであれば、「記憶」というキーワードを決めてからページをめくれば、プライミング記憶を刺激しやすいと思います。キーワードが思いつかなければ、本のカバーや帯に書かれてあるコピーを参考にしてもいいでしょうね。

「1ページ2秒~5秒くらいのスピード」で、ページをめくってください。ざっと目を通しておけばいいので、キーワードの見落としがあっても構いません。

こうすることで、「この本には、大体こういうことが書かれてあるんだな。全体の雰囲気、流れがこういう感じなんだな」ということが分かると思います。

2つの準備を行うと、理解力がアップ

速習セミナーで、「2つの準備をしてから本を読む場合」と、「普通に読んだ場合」の読後感の違いを実感していただくと、セミナー受講生の多くが「準備をしてから読んだほうが、内容をしっかり理解できる」といいます。

速習法は、プリペアードマインドをセットしたり、パラパラ読みをするなど、「準備する時間」がかかるため、いますぐ速く読めるわけではありません。けれど、この読み方に慣れてくれば、読むスピードは確実に速くなりますし、なにより内容が記憶に残りやすくなります。

「プリペアードマインド」と「プライミング」で、本を読むための準備は整いました。

さぁ、ここからが本番です。
次回は、概要の把握をするための読み方=「スキミング・リーディング」について説明します。

(写真撮影:加藤康)

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